宮古島海中公園(仮称) その3

凸凹家 凸担当

2010年01月28日 19:00

「狩俣に海中公園?」あらため、「宮古島海中公園(仮称)」のその3です。笑
今日のブログは、その経営予測を大胆に分析していきます~!

と言うのも先日新聞に、市議会で論議された内容と思われる、計画の詳細が載っていました。それによると、総工費は9億円。

そして経営予測は、3年後には年間1,100万円の黒字。内訳は、収入3,500万年に対し支出が2,400万円としています。

収入は、当たり前ですが、入場者数×入場料なので、あとで入場者数が年間4万5千人と出てくることから、入場料は一人800円程度になる計算です。これには海中トンネルの入場料だけでなく、磯遊び施設(カヤックなど)から入る収入のほか、お土産などの売り上げの一部も含まれているものと思われます。そう考えれば、一人800円は、まあ、妥当な線かもしれません(20mの海中遊歩道にいくら払うかは疑問ですが・・・笑)。

しかし、年間の支出が2,400万円なのは、少なすぎるのでは?
正規に社員を一人雇ったら、社会保険等を含め雇う側の負担は、恐らく年間2,000万円にはなるはず!もし、パート・アルバイトだけで運営したとしても、給与だけで一人当たり年間200~300万円はかかるでしょう。年間4万5千人、一日当り150人の来場者を見込む施設の維持管理をするためには複数の管理者が必要ですから、人件費だけで年間500万円は必要なはず!その上に、水光熱費・清掃費などの日常の維持費や、補修費などを考えたら、これだけの施設で年間2,400万円は少なすぎませんか?

つぎに、収入の根拠にもなっている入場者数ですが、年間で4万5千人と予想。これは、宮古島を訪れた観光客に実施しているアンケート(空港にあるでしょ?)を使って、推定しているようです。

一年間に宮古島を訪れる観光客数は37万5千人(昨年は33万6千人でしたが。笑)、そのうち13万人が、来島の目的が周遊(要するに島内観光)で、比率は全体の35%。その、周遊目的の観光客のうち24%が、宮古海中公園(仮称)を利用する、と想定しています(その数3万2千人)。

周遊以外の、例えば「ダイビング」「ビジネス」「ゴルフ」「帰省」などを目的に来島した観光客は、どこに行くかが異なりますので、目的別に、アンケートの回答で池間島まで足を延ばしたと言う人の割合を算出し、さらにその10%の人が、宮古島海中公園(仮称)を利用する、と想定して計算をしています(その数1万3千人)。

でも、宮古島に周遊目的で来た人の24%、1/4の人が、お金を払ってここを利用するでしょうか?仮に、24%が5%下がって19%になったら、入場者数は6千人減って、収入は500万円減少します。もし、半分の12%しか利用しなければ、入場者数は1万6千人減って、収入は1,200万円減少。仮に支出が予想通りだとしても、赤字に転落です。

まあ、予想に予測を組み合わせてみても切りがありませんが、要するに言いたいことは、宮古島海中公園(仮称)は、それだけ経営的にぎりぎりの採算しか見込めない施設なのです。にも拘らず、きれいな海に人の手を加え、少なからず環境破壊をする。

喜ぶのは、土建屋さんだけのような気がしてなりません。。。

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